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知財(色彩商標)は甲斐性

イメージ最近目につく「TPP、大筋で合意」、というニュースですが、色彩商標(を含む新しいタイプの商標)の日本での導入も実は、TPP対応のためとも言われています。言うまでもなくTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、加盟国による「経済の自由化」を目的とした条約で、グローバルな自由競争社会が始まる前に、知的財産の保護も各国共通にする必要があるからです。

 実際海外では、何年も前から色彩商標の制度がありました。アメリカではなんと1947年から、ヨーロッパでも1996年から制度がスタート。国別で見ても、フランス、イギリス、ドイツはもちろん、シンガポール、韓国、台湾でも、既に制度はスタートしていました。ちなみに出願状況ですが、アメリカでは出願件数860件、うち登録件数は360件(2012年2月の大まかな数字)。欧州では、出願件数868件、うち登録件数は272件(1996年~2012年2月)。オーストラリアでは、出願件数878件、うち登録件数は200件(1996年~2008年)とのこと。
そして、今年2015年4月、日本でも色彩商標の制度がやっとスタートした訳ですが、既に、一部の日本企業では、海外において色彩商標を取得しているという実績もあるのです。

イメージ イメージ まずは、コンビニのセブン-イレブン(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン)。あの橙×赤×緑の3色セットは、オーストラリアにおいて色彩のみの商標として登録されています。イメージまた、株式会社トンボ鉛筆は、アメリカで“MONO消しゴム”等に使用している青×白×黒のストライプを登録しています。また、電動工具大手「株式会社マキタ」は、自社製品のほとんどに塗装されている深緑×黒を、欧州にて出願し、登録を受けています。

 グローバルに展開する企業が、既に色彩商標を取得していたと知れば、色彩商標を含む知的財産がいかに重要であるか、改めて知らされた気がしませんか? 言葉の通じない他国相手であれば、文字が不要な「色彩のみからなる商標」の価値は、とても大きなものとなります。TPP条約によってグローバルな自由競争が始まった時、せっかく育てた製品やサービスがあっという間に模倣される、そんな事態においても、法に裏付けられた抑止力を発揮するのが、知的財産権です。防護壁、保証、正当性・・・、あらゆる重要な価値となってくれることでしょう。それこそ「出願した甲斐があった」となる時です。

 ここで、フッと感じたことがあります。それは、知的財産は甲斐性ではないか、ということです。甲斐性とは、『物事をやり遂げようとする気力、根性、或いは、働きがあって頼もしい気性、経済的な生活能力』、または『行動の結果として現れるしるし、或いは、努力した結果、期待できる値打ち』と辞書に記載されています。私たちは「我慢した甲斐があった」とか、「生きている甲斐が無い」などと言うことがありますが、イメージ要するに、「何かをしたいその備えになるのか」、「期待できる値打ちはあるのか」、を言っているのです。どうでしょう、知的財産権は、甲斐性のある人のようではないですか。
いつも私は、企業にとっての知財戦略とは、最も優先されるべき経営戦略であると言い続けてきました。今後、価値観の違う異国との自由競争が活発化した時、知的財産はより大きくその『甲斐性』を発揮してくれるに違いありません。

参考:新しいタイプの商標に関する 新しいタイプの商標に関する 海外主要国における実態について,
新しいタイプの商標に関する 新しいタイプの商標に関する 海外主要国・地域における 実態について (補足),
新しいタイプの商標に関する 新しいタイプの商標に関する 海外登録例・主要判決例,
新しいタイプの商標(日本企業の海外登録例)

2015.12.07

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