産業色彩技術協会

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魂の色は何色?

塗装工場もようやく暑さから解放され、仕事しやすい季節になりました。ここ1ヵ月ばかり、地元地域では祭礼や総合防災訓練、塗装組合では全国大会と個人的にはイベント続きでした。

特に塗装組合(日本工業塗装協同組合連合会)では、本年東京開催ということもあり、講演をさせていただく機会を頂きました。演題は「魂の継承」です。そう、意外に思う方もいることでしょう。技術士だからと言って技術の話をするとは限らないのです。この時は、事業継承に関する自らの体験をお話しさせていただきました。 少しでも、業界のために役立ったならば幸いと感じております。
ところで魂の色って何色なのでしょう?

私のイメージでは、子供の頃は白色でした。理由は単純です。水木しげるさんのアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の影響です。出てくるオバケが霊魂を人の口から抜き取る光景が怖くて、トラウマの様な記憶として残っているのです。 (下手な漫画で恐縮です。どうか気持ちは汲んで下さい。こんなイメージです。) しかし、今は魂の色と言えば、光り輝く金色です。そこで今日は金色にちなんだ話をします。街で見かけた金色の光景を取り上げて進めていきます。

はじめに右の写真です。これは地元墨田区の小村井香取神社で撮影した獅子頭です。実物は光輝く金色です。
この金色は、まさに金箔そのものを大部分使用しています。金箔は貼る際、本うるしを接着剤として塗って使用しています。このような祭具や文化財などは、値段や性能云々ではない時があります。大切なのは伝統工法であることです。産業色彩と言う観点からは少しズレますが、現物は見事なものです。

次の写真です。これは東京の浅草から見た墨田区側の写真です。隅田川沿いにアサヒビヤホールがあり、金色の炎のモニュメントがあります。これは見る限り塗装と考えます。それでは金色・ゴールドの塗料はどのような材料を使っているのでしょう。実際、塗料やインクの色材では金色・ゴールドといっても沢山の種類があります。
貴金属の金そのものでは高価すぎるので汎用品としては使えません。一般的には、真鍮など合金金属、銀色のアルミ粉に黄色系の染料や顔料を混ぜたもの、あるいは酸化チタンで光の干渉作用を利用して発色させたものです。
ただ金色で気をつけたいことが1つあります。それは金色の退色・変色です。
変色するかどうかは使っている材料の性質によってわかります。ちなみに当然のことながら、本物の金は変色しません。(だから貴金属なのです。)
例えば、アルミ粉の場合、アルミニウムの表面は不動態膜で、すぐ覆われてしまうので、実際はアルミニウムの酸化物です。酸化物は、すでに酸素と結びついているために、自然乾燥状態で放置している限りは、これ以上酸化はしません。
気をつけたいのは、材料に黄色系の染料を配合しているもの、金属材料の真鍮(銅と亜鉛の化合物)を使用している場合です。染料は有機化合物ですので、耐候性が弱いものは、紫外線で退色してしまいます。
また、真鍮は身近なものでは五円硬貨があり、その性質を確認できます。左のものは色がくすんで変色していますね。 これは徐々に酸素と結びついて酸化したからです。
真鍮の入った材料で塗装すると、当初は金色・ゴールド系でも徐々にくすんだ色に変色していきます。この種のゴールドはエイジングゴールドと呼びます。月日が経つと落ち着いた色合いになるため、アンティーク品など味が出てくるものに使用されます。酸化による変色を防止するには、クリアーを上塗りすると対策できます。金色・ゴールドの塗料を選定する際は、配合成分に気をつけると良いでしょう。

さて、皆さんの魂の色は何色でしょうか?
いずれにしても人の場合、輝き続けるためには、自身を磨き続ける必要がありますね。

2015.10.19

小柳拓央のコラム

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