産業色彩技術協会

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一般社団法人産業色彩技術協会は、塗料塗装業界の進歩と発展を目指します。
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街中で見た光景いろいろ

昨年の春より地元の東京墨田区で災害復興支援組織に技術士として登録しています。 この組織は様々な専門家が集まり、いざ災害が起こった時、いかに街を復興させていくか、それぞれ専門性を活かして支援をしてゆく組織です。 「塗装屋なのに防災が関係するのか?」と思う読者の方もいるでしょう。これもご縁です。防災を専門とする技術士の中に、たまたま区民や在勤者が一人もいなかったのです。地域を知る技術士といったところでしょう。その地域の土地柄、地域性、実際の住民の方々の生活、防災活動などの情報を、一区民の立場で防災の専門家に繋ぐ役割をしています。 私自身、本業の塗装は関係ないと思っておりました。ところが、この組織には建築士、不動産鑑定士、マンション管理士などの方もいます。組織の会合が終わった後、互いの実務に関わるところで塗装の話を聞かれることがあるのです。多くは建築がらみの塗装ですが、新たな「きづき」を頂いております。今回は、そのような観点からお話ししましょう。

1.残念な柱

まずは、左の写真です。とある会社の倉庫の屋外の柱です。かれこれ建築されて15年、当初は鮮やかな青色でした。しかし経年劣化で壁が粉っぽくなり、残念なことに落書きまでされています。この現象を白化、チョーキングといいます。原因は紫外線による塗料の樹脂の劣化です。 このように紫外線による樹脂の劣化に対して樹脂がどのくらい持つかという性能を「耐候性」といいます。 柱の強度としては支障なさそうなものの、外観に関していえば、塗り替えを検討する時期です。

2.残念な壁

次に右の写真です。これは、某公共施設です。ここは年に1回、私もお役目で訪れます。 この建物自体は築3年とまだ新しいです。造りは鉄筋コンクリートで外壁は漆喰系でザラついた骨材入りの赤土色の塗装で施工されています。しかし、よく見ると、ところどころ壁に白い模様が出ています。壁のヒビから雨水が入り、コンクリートの内部の成分と反応して、染み出たものです。外壁の上塗り塗装が綺麗だけに残念なことになっています。施設の職員さんと世間話をしたところ、施工して間もないのにこのような状況になったとのことです。 塗装前の下地処理が悪かったのか、あるいは塗装施工が終って間もなく、地震で亀裂が入ったか判断は付きませんが、いずれにしても補修は大変です。

3.東京スカイツリーは?

おしまいは、東京スカイツリーのお話をしましょう。 私の地元、墨田区といえば東京スカイツリーのおかげで急に有名になりました。 東京スカイツリーの塗装は、現在もっとも耐候性が良いとされるフッ素樹脂塗料を採用しています。そのため、塗り替えまでの期間は25年です。ちなみに東京タワーは、これまで5年で塗り替えられてきています。それを考慮すると、塗料性能の向上は素晴らしいものですね。 では、どのように塗り替えるのでしょう? 以前、東京スカイツリーの技術講演を聴講し、塗り替えはどのようにするのか質問したことがあります。 意外というか普通でした。このような高層構造物でも足場を組み、周りを囲って再塗装するそうです。「自走式塗装ロボットを開発します。」という回答を勝手に期待しておりました。どなたか開発してはどうでしょう?しかし、塗り替えの頃、私も70歳になってしまします。先の長い話ですが、楽しみにしておきましょう。

2015.09.07

小柳拓央のコラム

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